オープンクエスチョンの練習の前に、ミニホワイトボードを使ったアクティビティをたくさんします。とくに1学期はこの活動が中心です。その中で私がよく取り入れたのは絵本の読み聞かせと一緒に行うことです。
読み聞かせがおわったあと、A3サイズのホワイトボードにそれぞれ思ったことを自由に書く時間をとります。子どもたちは、「これはね・・・。」というつぶやきとともに書き進めます。この段階はまだ独り言。書き終わったあと、みんなそろって「だだーん」とパネルを開き、自分が書いたものについて話をします。発表はボードにかいてある絵や言葉が話の手掛かりになり対話が促進されていきます。気分によって書きたくないときも・・・。ついみんなに書かせたいという気持ちになることもありますが、自己選択にまかせます。書かないことを選択した場合も友達の発表を聞いて感想を言う場面で自然に加わってきます。安心感をもって活動することは学級づくりの大事な柱です。
(明治図書:特別支援教育の実践情報 2021・6・7号掲載内容 一部抜粋)
対話の中で、いつも喧嘩口調で接している子が「Aくん絵うまい!」「俺にもかいて。」「Bくんの〇〇面白いね」とお互いのいいところに目が向き始めると少しずつコミュニケーションが豊かになります。
書き終わったボードを廊下のギャラリに絵本と一緒に掲示します。そこを通るほかの学級の児童からも絵のこと、本のことを聞かれます。コミュニケーションが広がります。
「タコさんトコトコどこいくの?」 作:tuperatupera 出版社:絵本館 発行:2010.9
を読んだ時のことです。なかなか書き終わらない二人。あまりにも楽しそうに話しながら書いているので、しばらく様子を見ていました。二人とも最後のページからどんどんイメージが膨らみ別のお話が出来上がっていました。「それおもしろいね~」といいながら話す姿は実に微笑ましかったです。この時書かないと決めていたA君は、二人のお話をうなづきながら聞き、最後に質問をしていました。書いたものが否定されない、可視化されたものがある。大事ですね。
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